情報に流される就職活動

情報に流されすぎている企業人事

2016年度の新卒採用から選考期間の後ろ倒しがはじまり、3年経過しますが企業側も学生側も手探りでいろいろなことをやっていた現状があります。

つい最近では経団連会長が就職活動期間の廃止とする意向でしたが、2020年度の新卒からは現行のルールでやるのか、変わってくるのかまだあわからない状況です。
経団連会員企業は、選考という言葉を使わずに、面談、相談会などという言葉を駆使している。
そのため、いきなり内定を出しますねといっても、学生側からすると疑問が多い。

選考という言葉を使っていないにも関わらず、内定が出るというのはオカシイと感じるからです。
学生にとってオトナの事情というものは理解し難いものがあるでしょう。
これは企業人事がいろいろな情報に流された結果だと言えます。

人材紹介会社や人材コンサルタント会社から優秀な学生を採用するためには、ルールの抜け目を見つけてそこをついていくことで、他社より優位に進めますといわれていたり、マスコミの人気企業ランキング、年収が高い会社ランキング、女性が活躍できる会社ランキングなど、いろいろな角度から就職活動を切り取ったランキング形式の情報に流されているのが現状です。

オワハラはこういうことが原因で複雑にいろいろな会社の事情が入ってきて、いろいろな企業でおこなっていたというのが現状ではないでしょうか。
大手企業の選考が後になるから、その前に内定を出して囲い込めということをいろいろな人材コンサルタントが口をそろえていっていましたから。

採用期間の長期化というのは、採用コストが上がっていくことになり、消耗戦に入り込むことになるため、早く終わらせたいという企業人事のエゴでもある。
オワハラで内定承諾をさせて、書面をもらっておけばいいという考えがありますから。

内定承諾書というのは法的拘束力もないということに気づいていないから恐ろしい。
契約書でも無ければ、推薦状でもない。
3月31日までは◯◯大学の学生であるため、内定を辞退することも可能なのだ。
これも人事が学生は無知であるということをいいことにうまく使っていることになる。

ちゃんと法的拘束力があるかたちで内定承諾を取ることが必要になるが、そこでオワハラをしてしまうということは、企業ブランドを傷つけてしまうことになるだろう。

とあるエージェントからは「最近の新卒は尖った人材がいない。金太郎飴のような学生ばっかり」と聞いたことがある。
私も新卒で接していて感じているのが、シナリオを重視するあまり、人間味がない学生が多い。
ライターさんや作家さんになったつもりで、自分のことを表現するが、共感することができないものが多い。
それは情報のメタボリックによって起きているのではないかと考えている。

スマホでちょっと探せば、新卒に関するエントリーシート対策や面接対策を書いているサイトにぶつかる。
どんなことを書いたらいいのか、どんなことを答えたらいいのか細かく詳細まで書いているのが現状。
そうすると、そこで書かれていることをフレーム化してパクっているでしょっていう回答をする学生、
何かと自己アピールをしてくる学生が増えていて、1日で何十人と面接をしていると、またはじまったと感じた瞬間、採点表にCHECKをいれてしまう。

とある大手企業の人事は「後ろ倒しになったことで、その規定を守るかどうかで迷っていた」という話もあった。
規定を守っている会社がほとんどであったら、8月1日現在の内定率が61%という数字は出てこないだろう。
水面下で選考をしていた企業がほとんどであるということを印象づける数値である。

企業の人気ランキングで5位以下に出てきた企業は、セミナーの回数を増やしたり、色々なコンテンツを作って情報発信をすることによって、翌年のランキンがトップ3に入ることができたことなどもよく聞く話です。

巨額な金額を動かして採用活動をして、イメージアップにつなげているのが現実です。
短期的に考えればいいことかも知れませんが、中長期的に考えるとリスクが大きい。
資金がショートしてしまって、採用活動費用に追加投資できなかったら、ランキングが下がってしまうということに気づいていないからです。

最近の経営者の思考性で多いのが、短期的な戦略については長けている人が多いけど、中長期的に考えることが出来る人が少なくなっていることが多くなっています。
10年企業が持ちこたえる事ができれば、30年、100年という企業を目指すのが本当ですが、最近のビジネスのスピードの早さやグローバル化が進んでいくことを考えると、中長期的に考えることよりも、短期的に考えることが必要になるのではないでしょうか。

また、結果重視するため、顧客に対しても甘くなっているのが現状です。
生産性、効率化という言葉を勘違いしてしまった結果生まれてしまったいる。
長時間労働がいいとは言わないが、必要なときは長時間労働も認めるべきであり、何もかも画一的に悪いという風潮にも疑問がある。

これからの採用は人事と経営層のハイブリッド型で自力勝負

経団連のルールに則って採用活動をしていたら、インターンシップや内定式、入社前研修、内定者懇親会などの準備が思うように進まず、他部署からも面接官を駆り出すため、教育研修も必要になってくる。
経団連のルールがと言っているのであれば、その企業は完全に出遅れるだろう。

人材の争奪戦というのは水面下でも行われており、ルールを犯してでも採用をする人事は多い。
本当に優秀な人材なのかは別として、企業の雰囲気、チームに溶け込めそうな人材を採用するのが、日本企業のほとんどの傾向である。

使いにくい人材を採用するという視点はほとんどないだろう。
素直に謙虚な学生を中心に採用をしていくことになり、それが会社の社風に染まっていくことになるからである。

中長期的に人材育成プランを立ちあげてやることが必要になるだろう。
人事が採用責任を負わされる会社がほとんどであるが、経営者が一緒に本気になって考えることができるのであれば、もっと違う手法で採用活動が展開されることになるだろう。

これからはいかに採用をした人を辞めさせない企業風土を作り、女性が活躍できる会社の雰囲気を作ることが必要になるだろう。
そのためにはリモートワーク、拘束時間にとらわれないためには、成果主義、生産性主義の人事評価制度に変えていくことになるだろう。

従業員の満足度が高い会社というのは離職率が低いという傾向が現れている。
福利厚生で育児休暇が他社より長く取れるからということをメリットと感じる人もいるが、リモートワークや生産性重視の評価制度を取り入れることができるのであれば、従業員の雇用形態に関係なく、責任を持った仕事ができるようになるだろう。

今のままでは、女性が活躍できる会社、社会になるまでは、時間がかかるだろう。
ライフイベントによってキャリアを中断されることになり、周りの理解が低かったり、社内の信用預金がないと、マミートラックへと入り込んでしまうからだ。

女性が優秀といわれており、1:1の採用比率にしてしまうという企業が減ることになるだろう。
これからはいかに女性が活躍できる社風や評価システムで差別化をしていく時代になるだろう。
そのためにはロールモデルやメンター、シスターになる人たちも育成しなければならない。
まだまだ問題が山積みになっている状況であるからこそ、今のうちに着手をして、先行逃げ切りを図る必要があるだろう。

小さな差別化ができるようになり、いろいろな人達に評価をされることによって、その業界でオンリーワンの存在になる会社になる可能性を秘めている。
そのためには経営者、人事が一蓮托生となり、ハイブリットで考え無ければならない。

どのように人材を採用して、育成をしていくのかという画をどう描くのか、そのためには何をしなければならないのか、どうするのかというところまで、しっかりと戦略的に考えなければならない時代に突入している。

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careercreator

1978年生まれ。米国大学院卒業後、仕事でエージェント/企業内人事/研修講師/採用広報/能力開発・人材育成のスペシャリスト/経営企画として活躍。 個人では、キャリアクリエーター/ディスカッションパートナー/ミーティングコンサルタント/経営の家庭教師/転職の家庭教師/パーソナルプロデューサーとして活躍。

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